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『ありがとうございました』

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※写真はイメージです。

 船乗りを目指して高専や大学に入学した学生は、必ず国土交通省管轄の独立行政法人『航海訓練所』の大型練習船に乗船し、訓練を受けます。
 その初めての実習乗船の際、教官からまず初めに習うのが『ありがとございました』です。

 当直交代で持ち場に着く際、航海科ならば船橋へ入るとき、機関科ならば機関制御室に入るとき、自分の代わりに仕事をしている当直乗組員に慰労の意味をこめて『ありがとうございました』と挨拶する事を、まず仕込まれます。
 これは航海訓練所の実習を受けた船員のみならず、たたき上げて来た方々も同じようになさっておられたので、船員共通の慣習となっているといえるでしょう。
 そして逆に、当直を交代して仕事を終えて持ち場から離れるとき、次の当直員に「御願いします」と一声かけてから持ち場を離れます。
 
 『では、御願いします。』
 『ありがとうございました』

 が、四時間毎に繰り返されるのです。

 お互いに仕事ですから、その持ち場に着く事やその持ち場から離れることは義務であり権利でもあります。ですから、無言で交代することも、あかんことじゃないっちゃない話ではあります。
 でも、短くても一ヶ月は同じ釜の飯を食い、同じ板子に命を預ける間柄なのですから、そんな味気ない関係で人間関係をギスギスさせてしまっては、円滑に船を運航する事は出来ないだろうという先人の知恵なのではないかと思います。

 夫婦間や家族間においても、同じことが言えるかと私は思うのです。
 常に顔を合わせる間柄ではありますが、家庭というある意味運命共同体の元で過ごしている訳ですから、構成員の間の人間関係を円滑に保つ事は、必要なことなのではないかと思うのです。
 嫁さんから何かしてもらったら、むっつり黙ったままではなく『ありがとうございました』と一声かけてあげれば、少し空気が変わっていくかもしれません。

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最終更新日:2016-05-03 18:11

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