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内燃機関の燃料は液体だけに非ず

※写真はイメージです

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 これまでの投稿をご覧いただければお分かりいただけるとおり、当方の「身近」は皆様の身近とは程遠いところに位置している事は、ご理解いただきたく思う。今回も例のごとく当方の身近であった「船舶」におけるドケチエピソードについて、語らせていただくので、最後までご覧いただければ幸いである。

 船のエンジンはほぼ99%がディーゼルエンジンであることは、誰も否定が出来ないレベルの事実だと思う。
 小型船だとガソリンエンジン、少々古いタイプのLNG(液化天然ガス)運搬船だと蒸気タービンを使っていたり、ディズニーランドのマークトゥエイン号はほんまもんの蒸気レシプロで動いている(みたい)だったり、この世にある様々な船が様々なエンジンを使用しているが、数にしてみると圧倒的にディーゼルで間違いないだろう。
 これらの原理は自動車のディーゼルとほぼ変わらず、ただ、メカニカルなメンテナンスの削減と貨物スペースの確保を目的として排気量あたりの馬力を増やす為に、4ストではなく2ストが主流である点が自動車とは少々違うだろうか。
 しかし、このエンジンに叩き込む燃料が、開発者のディーゼルさんも驚くんじゃないかという事を現場ではかましてくれる。

 ディーゼル船の燃料、特に大型船の燃料は重油であり、その粘度(ねばりけ)によって、低い順からA、B、Cと区分されている。当然、粘度が低いほうが揮発分を含むのでトン単位の単価は高くなる。
 そして、当然のことながら、粘度が低いほうが点火効率は良くなり、エンジンが冷えていてもゴネずに動いてくれる。なので、エンジンをスタートさせるときには高価で貴重なA重油を用い、ある程度暖まったら安い安いC重油に切り替えるということをしている。
 この航海中に使うC重油が曲者だった。

 重油とは名が付いているが、常温ではどこをどうみても固体。給油時は使用時には120℃まで熱してやらないと流れない。しかもこのC重油にもランクがあり、大概、道路に敷くのに使ったほうが良いんじゃないかという激安レベルのC重油しかあてがってもらえない。そんなのを熱して、遠心分離機に二回通して、さらに、噴射ポンプで120気圧(と習った)まで加圧して、やっとシリンダーの中に吹き込めるようになる。
 イメージ的に、石炭を熱しまくって液体にして吹き込んでいる感じが正しいのだろうか。

 私は船の世界に足を突っ込み、内燃機関の燃料が液体のみにあらず、ということを学んだ。
 気体はおろか、爆発さえすれば固体ですら気合と根性で燃料にするその現場のスピリッツに、未だ敬服の念を感じて止まない。

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最終更新日:2016-04-15 13:57

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